撮影:平山泰成
2011年3月11日はまったく春の気配を感じることなく、
寒い日だったことを覚えております。
東日本大震災が起き、その後の計画停電があり、
混乱の日々を過ごしていました。
震災でのライフラインの寸断はなかったものの、
計画停電ではお客様のご協力のもと、
どうにか営業をすることができました。
回のお隣にある「那須高原の宿 山水閣」では
2013年から3月第二金曜日は年に一度の
「山小屋山水閣」となり営業してまいりました。
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「山小屋山水閣」とは。
宿屋として、提案していることは
「宿では快適に、心地よく、日常を離れて過ごしていただく」。
2011年の東日本大震災の後に気付いたことは、
エネルギーに限りがあることです。
旅館は毎日多くのエネルギーを使っています。
日々節電を心掛けていますが、簡単に使えることに慣れています。
だからこそ、一年にたった一日だけでも、
極力使わない日を作ってもいいのではないかと考えました。
宿の在り方からすれば、矛盾しているかもしれません。
エネルギーを使わない=不便、ではなく、必要最低限で心地よく過ごす。
エネルギーの未来を楽しみながら考えることができればと願います。
≪旅館 山水閣≫が≪山小屋 山水閣≫になっても、おもてなしは変わりません。
館内の公共スペースは必要最低限の照明だけがついています。
灯りの足りない箇所はキャンドルを灯しています。
暖房もエアコンではなくストーブを使用します。
なので、充分ではない温かさですが、お客様に防寒をお願いします。
夕食も普段の懐石料理とは内容が異なります。
調理機器の進化した昨今、多くのエネルギーを調理場でも使用します。
なるべく使用しない調理方法は、昔ながらの基本的な調理方法ですが、
温かく、美味しい、優しいお料理をご用意いたします。
山小屋の一番の楽しみは≪Fire bar 206≫です。
窓一枚隣には、室内のバーがあるのですが、
テラスで焚き火を囲んで≪Fire bar 206≫がオープンします。
那須高原自然学校のアウトドアのプロたちがしっかり火の管理をしてくれ、
ちゃんと暖が取れるように火を熾してます。
火を囲みながら、お客様とスタッフが一緒に楽しんでいます。
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今まで、山小屋の日は「別邸回」をお休みしていました。
電気を切ることが難しかったからです。
色々と考えた結果、別邸回は通常に営業することにいたしました。
お隣の山水閣は暗がりな山小屋営業をしております。
薄暗い中ですが大浴場も、貸切風呂もご利用いただけます。
夜になると商品が見えにくいかもしれませんが、売店も営業しております。
美しい冬の空の下、Fire bar 206 を一緒に楽しんでいただけたら幸いです。